アカデミー賞の季節になると、「今年はどの作品が獲るんだろう?」なんて、映画の話題が一気に盛り上がりますよね。
でも、ふとこんなこと思いませんか?
映画賞って、正直アカデミー賞以外よくわからない…と。
実は世界には、映画好きなら一度は名前を聞いておきたい “定番” とも言える映画賞がいくつもあります。それぞれに国や評価の視点が違っていて、知っているだけで映画の見方がちょっと楽しくなる存在です。
この記事では、映画好きなら知っておきたい「5大映画賞」を、難しい話は抜きで、ざっくり・やさしく紹介していきます。
そもそも「5大映画賞」って何?
「5大映画賞」と聞くと、何か公式に決まっているランキングのように感じるかもしれませんが、実ははっきりとした定義があるわけではありません。
一般的には、
- 世界的な知名度が高い
- 歴史があり、影響力が大きい
- 受賞すると映画の評価が一気に跳ね上がる
こうした条件を満たす映画賞・映画祭をまとめて「5大映画賞」と呼ぶことが多いんです。
今回紹介する5つは、英米の代表的な映画賞と世界を代表する国際映画祭をバランスよく含んだ定番の組み合わせ。
それぞれ、エンタメ性を重視する賞もあれば、芸術性や作家性を強く評価する映画祭もあります。
だからこそ、「どの賞を知っているか」で映画の好みが見えてきたり、「なぜこの作品が評価されたのか」を考える楽しさも生まれます。
5大映画賞は、映画に“正解”を与えるものではなく、映画の世界を広げてくれるヒントのような存在。
まずは名前と特徴をざっくり知るだけで、映画の楽しみ方が少し変わってくるはずです。
映画好きなら知っておきたい5大映画賞
ここからは、映画好きなら押さえておきたい「5大映画賞」を順番に見ていきます。難しく考えず、「この賞はこういう映画が好きなんだな」くらいの感覚で読んでもらえたらOKです。
アカデミー賞(オスカー)
アカデミー賞は、世界でいちばん有名な映画賞。「映画賞といえばこれ」と言ってもいいくらい、知名度は抜群です。
アカデミー賞は、世界でいちばん有名な映画賞。アメリカ映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が主催する、映画業界のプロが選ぶ賞です。一般的には「オスカー」の愛称で親しまれています。
特徴は、エンタメ性と評価のバランスがいいところ。話題性のある大作から、しっかり作り込まれたドラマ作品まで、幅広いジャンルの映画がノミネートされるのが魅力です。
また、作品賞だけでなく、主演男優・女優賞、助演、脚本、撮影、美術など、映画づくりに関わるあらゆる部門が評価されるのもポイント。
「この作品がアカデミー賞を獲った」と聞くだけで、とりあえず観てみようかなと思わせる力があるのは、やっぱりこの賞ならでは。
映画賞を知る入口としても、まずはアカデミー賞を押さえておけば間違いありません。
🎬 この映画賞で有名になった作品
- 『タイタニック』(1997)
→ 作品賞を含む多数受賞で、社会現象レベルの大ヒットに。
🏆 2025年の作品賞受賞作
- 『ANORA アノーラ』
→ インディペンデント作品ながら高い完成度が評価され、アカデミー賞シーズンを象徴する一本に。
ゴールデングローブ賞
ゴールデングローブ賞は、アカデミー賞の前哨戦としてよく名前が挙がる映画賞です。
最大の特徴は、映画だけでなくドラマも対象になっているところ。そのため、ほかの映画賞に比べて少しカジュアルで、エンタメ色が強い印象があります。
もうひとつのポイントは、ドラマ作品賞・主演賞が「ドラマ部門」と「ミュージカル/コメディ部門」に分かれていること。重たい作品だけでなく、観て楽しい映画もきちんと評価されるのが魅力です。
ゴールデングローブ賞の結果を見ていると、「この作品、アカデミー賞にも来そうだな」と予想する楽しみ方もできます。
映画ファンにとっては、次に話題になりそうな作品を先取りできる賞。アカデミー賞シーズンをより楽しむためにも、チェックしておきたい映画賞のひとつです。
🎬 この映画賞で有名になった作品
- 『ラ・ラ・ランド』(2016)
→ 史上最多級の受賞で、一気に世界的ヒットになった代表例。
🏆 2025年の作品賞
- ・『ブルータリスト』(ドラマ部門)
→ 重厚な人間ドラマが高く評価され、ドラマ部門の作品賞を受賞。 - ・『エミリア・ペレス』(ミュージカル/コメディ部門)
→ 音楽性と独創的な世界観が話題を呼び、ミュージカル/コメディ部門の作品賞に選ばれた。
BAFTA(英国アカデミー賞)
BAFTAは、日本では「英国アカデミー賞」として知られている映画賞です。イギリス映画界における、もっとも権威ある賞のひとつ。
立ち位置としてはアカデミー賞に近いですが、評価の視点は少し違います。派手さよりも、演技や脚本、作品全体の完成度を重視する傾向があり、落ち着いた大人向けの作品が選ばれることも多めです。
また、イギリス作品だけでなく、ハリウッド映画も多く対象になるため、「アカデミー賞との共通点・違い」を見比べるのも面白いところ。
アカデミー賞ではノミネート止まりだった作品が、BAFTAではしっかり評価される、なんてケースも珍しくありません。
「アカデミー賞がアメリカ目線だとしたら、BAFTAはヨーロッパ寄りの視点」。そんな感覚で押さえておくと、映画賞の見え方がぐっと広がります。
🎬 この映画賞で有名になった作品
- 『英国王のスピーチ』(2010)
→ 英国作品が世界的に評価されるきっかけになった一作。
🏆 2025年の作品賞
- 『教皇選挙』
→ 重厚なテーマと緊張感ある演出が高く評価され、英国アカデミーらしい結果となった。
カンヌ国際映画祭(パルム・ドール)
カンヌ国際映画祭は、世界で最も有名な国際映画祭のひとつ。毎年フランス・カンヌで開催され、映画好きなら一度は耳にしたことがある存在です。
アカデミー賞などの「映画賞」と大きく違うのは、芸術性や作家性を強く重視するところ。必ずしも万人受けする作品ではなく、挑戦的で個性的な映画が高く評価される傾向があります。
最高賞であるパルム・ドールは、「その年を代表する一本」として、映画史に名前が残るような作品が選ばれることも少なくありません。
正直に言うと、「ちょっと難しい」「好みが分かれる」と感じる人も多い映画祭。でも、だからこそ映画好きが語りたくなる作品が生まれる場所でもあります。
エンタメ重視の映画に慣れている人ほど、カンヌ作品を一本観るだけで、映画の世界がぐっと広がるはずです。
🎬 この映画賞で有名になった作品
- 『パルプ・フィクション』(1994)
→ カンヌをきっかけに映画史に残る名作となった代表例。
🏆 2025年の作品賞(パルム・ドール)
- 『It Was Just an Accident』
→ 社会性の強いテーマと鋭い演出が評価され、カンヌらしさ全開の受賞作となった。
ヴェネチア国際映画祭(金獅子賞)
ヴェネチア国際映画祭は、世界最古の映画祭として知られる、歴史ある国際映画祭です。イタリア・ヴェネチアで開催され、カンヌと並ぶ格式の高さを誇ります。
最高賞は金獅子賞。芸術性はもちろん、物語の完成度や演出の巧みさなど、映画としての“強さ”が評価される印象です。
カンヌが挑戦的で尖った作品を選ぶことが多いのに対して、ヴェネチアは比較的観やすく、完成度の高い作品が選ばれやすいのも特徴。
近年は、ヴェネチアで高く評価された作品がそのままアカデミー賞レースに乗ってくるケースも増えていて、映画賞シーズンの流れを読むうえでも欠かせない存在になっています。
「映画祭の作品はちょっとハードルが高い…」と感じている人にとっても、ヴェネチア受賞作は入り口としておすすめ。
カンヌとセットで知っておくと、映画祭の面白さがぐっとわかってきます。
🎬 この映画賞で有名になった作品
- 『ジョーカー』(2019)
→ ヴェネチア受賞から一気に世界的評価へと広がった象徴的な例。
🏆 2025年の作品賞(金獅子賞)
- 『Father Mother Sister Brother』
→ 家族をテーマにした繊細で実験的な演出が高く評価され、ヴェネチアらしい審美眼が光る受賞作となった。
Amioよく聞く「世界三大映画祭」は、カンヌ・ヴェネチア・ベルリンの3つ。どれもクセ強めだけど(笑)、映画の奥深さを知るには欠かせない映画祭です。
5大映画賞の違いをざっくり比べてみる
ここまで5つの映画賞・映画祭を見てきて、「名前はわかったけど、結局どう違うの?」と感じた人も多いかもしれません。
ざっくり分けると、ポイントはこのあたり。
まず、アカデミー賞・ゴールデングローブ賞・BAFTAは「映画賞」。完成した作品を評価する、いわば結果を見る賞です。
一方で、カンヌ国際映画祭・ヴェネチア国際映画祭は「映画祭」。新作が上映され、その場で評価される映画そのものを祝うイベントに近い存在。
評価の傾向も違います。
- アカデミー賞
→ エンタメ性と評価のバランス型 - ゴールデングローブ賞
→ 話題性・親しみやすさ重視 - BAFTA
→ 演技や脚本など完成度重視 - カンヌ
→ 芸術性・作家性重視 - ヴェネチア
→ 芸術性+観やすさのバランス
「どれが一番すごい」というより、どんな映画が好きかで、注目する賞が変わるというイメージです。
エンタメ大作が好きなら映画賞を、少し尖った作品に挑戦したいなら映画祭を。そんなふうに使い分けると、映画賞は映画選びの “ヒント” として、ぐっと身近な存在になります。
映画賞はどう楽しめばいい?
ここまで読むと、「全部追いかけなきゃいけないの?」と思うかもしれませんが、そんな必要はありません。
正直、気になる映画賞をひとつ知るだけで十分です。
アカデミー賞シーズンなら、作品賞や主演賞の候補作を1本観てみる。ゴールデングローブ賞なら、話題になっている作品を軽くチェックする。それくらいの距離感でOK。
映画祭も同じで、カンヌやヴェネチアの受賞作を見て「こういう映画もあるんだな」と感じるだけでも、映画の楽しみ方は広がります。
映画賞は、「これが正解の映画です」と決めつけるものではなく、映画選びの目印のような存在。
次に観る一本を選ぶとき、「この作品、映画賞で評価されてたな」と思い出せたら、それだけで十分です。
映画賞をきっかけに、いつもより少しだけ視野を広げてみる。それくらいのスタンスが、いちばん長く楽しめると思います。



実は私も、映画賞をきっかけに「これ観てみようかな?」って映画館に行くことが多いです。受賞作から観ると、普段選ばない作品に出会えるのも楽しいんですよね。
まとめ
アカデミー賞の季節になると、どうしても「映画賞=オスカー」という印象が強くなりがちですが、世界には映画の見方を広げてくれる賞や映画祭がたくさんあります。
今回紹介した5大映画賞は、どれも歴史と影響力があり、映画好きなら一度は名前を知っておきたい存在ばかり。
全部を追いかける必要はありません。気になった賞や作品を、一本観てみるだけで十分です。映画賞は、映画の“正解”を決めるものではなく、次の一本を選ぶためのヒント。
アカデミー賞をきっかけに、少しだけ映画の世界を広げてみる。そんな楽しみ方ができたら、映画はきっともっと面白くなります。

